
少し前の話ですが、自民党議員が代表質問でこのような発言をしました。
「キャリアアップのため、育休中のリスキリングを国として積極的に支援すべきだ」
それに対し、当時の岸田首相が
「主体的に学び直しに取り組む方々を後押ししていく」
と応えたことで、国会内外問わず多くの意見が巻き起こりました。
中でも子育て世代からは「育休は休暇ではない」「ママの負担が増えるだけ」といった批判が噴出しました。
私としても同意見で、育休中のキャリアアップを目的としたリスキリングには否定的です。
とはいえ、「あらゆるリスキリングをやるべきではない」とは考えていません。
かくいう私も、育休中の現在、リスキリング真っ最中です笑
「否定的と言っておきながらやってるのかよ!」という声が聞こえてきそうですね、、、
ただ、私が行ったリスキリングの内容やその理由を知っていただくと、きっとご理解いただける部分もあるのではないかと思います。
そこで今回は、、、
・パパ育休中のリスキリングは可能か?
・どのくらいの人が実際にやっているの?
・みんな何を学んでいるの?
といった疑問に関して、私の実体験も含めて紹介したいと思います。

この記事を読んでいただければ
・リスキリングには興味があるが具体的には決めていない
・既にリスキリングを計画しているがうまくいくか不安
といった方から
・育休中にリスキリングなんてやるべきではない!
と考えている方も、育休中リスキリングの1つの形として参考にしていただけると幸いです。
1,男性育休中のリスキリング実態
世間的に否定的な意見もある中で、実際どれほどの男性が育休中にリスキリングを行っているのでしょうか。
労務SEARCHによると、リスキリングに賛成と考えている男性は55%。
しかし実際に育休中にリスキリングを行った割合は6.1%だそうです。


肯定的な考えを持ちながらも、実際に行動に移すことは極めてハードルが高いことがわかりますね。
実施率が低い原因としては、以下のようなことが考えられます。
・そもそもリスキリングできるほどの期間育休を取得していない
・いざ育児に直面してみるとそれどころではなかった
私自身もそうでしたが、特に男性は、事前に子育ての具体的イメージを持てていない人が多い傾向にあると思います。
そういった方は是非、パートナと共に地域のプレママ・プレパパ講習などに参加して先輩ママパパの話を聞いてみてください。
先輩方の実体験を聞くことで、育休中の具体的な行動イメージが湧きやすくなるはずです。

さらに、実際に行ったリスキリング内容についてのアンケートでは、「資格の取得」「復帰後に向けた勉強」など、やはりキャリアアップに関するものが大部分を占めています。

実態として、育休中にリスキリングをしている男性は極めて少数派であり、内容としてはキャリアアップに関するものが大半ということですね。
2,リスキリングに際して守るべき【2つの条件】
ここでは、私が考える「リスキリングに際して守るべき2つの条件」についてお話ししたいと思います。
改めてお伝えしておくと、私はいわゆるキャリアアップのためのリスキリングには否定的です。
そう考える理由を一言で言うなら、「得られる恩恵(メリット)に対して、家族や夫婦関係の悪化というリスク(デメリット)のほうが大きいから」です。
※あくまで育休中という前提です。
だからこそ、無計画に挑戦するのではなく、最低限以下の条件は満たすべきだと考えます。
【条件①】スキルのベクトルが家族に向いていること
前章でも触れましたが、リスキリングと言えばほとんどの方が、「仕事に活かせるスキルを学ぶ」というイメージを持たれているかと思います。
ただ、これは個人的におすすめしません。
育休という貴重な時間は、「家族」のためにこそ使われるべきです。
もちろん、「キャリアアップになるスキルを身に付ければ年収がUPし、家族のためになる」という考え方もあるかと思いますし、その考えは理解できます。
それでも、育休中という特殊な環境を考慮すれば、そのような間接的な家族への貢献ではなく、より直接的に家族のためになる行動を取るべきではないでしょうか。

そして、条件②にも関わる部分なのですが、家族への貢献度が高いほうが、成功する可能性もグッと高まります。
【条件②】家族の「理解」が得られていること
これはもう、大前提中の大前提ですね。
育休中のリスキリングで一番やってはいけないのが、「パパが独断で決めてしまう」ことです。
これでは、せっかく育休を機に二人三脚で育児をしようと思っていたママの信頼はガタ落ちです。
そうならないためにも、ママとしっかり話し合い、「理解」を得ておくことが大切です。
これはとても大切なことなので強調させてください。
家族の「腹落ち」こそが、パパがリスキリングに挑戦していい絶対条件です。
というのも、子育て夫婦のどちらか一方が自分の時間を持つためには、パートナーの協力が不可欠です。
つまり、パパのリスキリングにはママの協力が必須だということです。
だからこそパパが独断で決めるのではなく、夫婦・家族で決めなければいけないのです。

「自分は家族の協力は求めず、育児のスキマ時間を使って勉強している」という方でも、実際には
・そもそもスキマだと思っているのはパパだけで、ママはその間も育児している
・育児はひと段落でも、その間にやるべき家事がありママがやってくれている
このような可能性もあります。
もしもこのような状況に対して、ママが日々ストレスを感じているとしたら、仮にスキルは身についたとしても、夫婦間には大きなわだかまりが残るでしょう。
だからこそ、少なくとも
・何を学ぶのか
・それを学ぶことで家族にどんなメリットがあるのか
・どのくらいの時間(家族の協力)が必要なのか
この3点はしっかりと整理したうえで、事前に説明するようにしましょう。
いくら家族の将来のためとはいえ、そのせいで家族関係を悪化させてしまっては本末転倒です。
かかる時間と労力、それは育児にフルコミットすべき育休の時間を費やしてまでやる価値があるのか
この質問に対して、家族全員の意見が「YES」だった場合のみ実行に移すようにしましょう。

3,ぽんパパが行ったリスキリングをご紹介
ここでは、参考までに私自身が行ったリスキリングについてご紹介したいと思います。
①動画編集スキル
きっかけとなったのは、ママの妊娠検診時のエコー動画でした。
出来れば一緒に検診に行きたかったのですが、病院ルール上、定期健診の立ち合いは出来ませんでした。
なので毎回ママからエコー映像を送ってもらっていたのですが、次第に「これはきれいな形で残さなければ!」と考えるようになりました。
そこで一念発起し、パソコンを買い替え、動画編集ソフトを購入。

動画編集といっても、プロを目指すのではなく、あくまで「家族の思い出をきれいに残す」がゴールです。
幸いなことに、息子は日々様々な表情を見せてくれるので、編集素材には事欠きません(ありすぎて困るくらいです笑)
作業は息子が寝た後、かつ、その日の家事も全て片付けた後に行うようにしています。
リビングで作業するので、ママも横にいることが多く、2人で「あーでもないこうでもない」と話しながら作業することが、夫婦間コミュニケーションにもつながっています。
出産立合時の映像をまとめた動画をママが涙ながらに見てくれた時は、「このスキルを身に付けてよかった」と心から思いました。
その他にも、育休中に家族で始めたYoutubeやインスタグラムでもスキルは活かされており、もともと家族起点だったスキルが、多くの方の目に届いていることを考えると不思議な気持ちです。

②FP3級
以前の記事でも触れましたが、育児休業給付金の支給は育休開始2か月後から3か月後です。
その間、収入がストップすることになりますので、いくら生活防衛資金があっても、やはり不安になります。
そういった不安を少しでも解消したいと思いFP3級の取得を決めました。
私の場合、勉強がスマホで完結するように、電子書籍の参考書と実戦形式のアプリを活用しました。
どうしても勉強時間はぶつ切り(長くても1度に15分程度)になりますが、2か月ほどで取得できました。
その知識をもとに、家計簿や将来キャッシュフローのシミュレーションを作成したことで、将来の不安軽減になりました。


予算表はリベ大の無料配布資料を活用しています。
家庭のお金の流れが見える化されたことで、夫婦間でお金の話をする機会も増えました。
将来的には、息子も交えながら家族会議形式で家計管理をしていきたいと思っています。
・その他 おすすめリスキリング
その他にも、パパが身に付けておくことで家族の満足度があがるスキルをいくつかご紹介します。
※いずれも私自身の経験に基づくものです。
・料理スキル
夫婦共に料理が作れるというだけで、家族のチーム力が格段に上がります。
ポイントは自分が好きなものだけでなく、ママや子どもが喜ぶものが作れるということです。
また、当然のことですが、料理スキルの中には洗い物や食器の片付けも含みます。
・簿記3級
これもFP資格と同じで、最低限のお金の知識をつけておくと、家計管理に活用できます。
・AIツールの活用
最近話題のAIツール、チャットGDPなど無料版でも十分使えるものが多いです。
活用方法の一例として、
・冷蔵庫の中身を伝えて献立を考えてもらう
・平均額と比較した固定費の見直し提案 などなど
また、応用次第では、近隣スーパーのチラシ画像を読み込んで、「購入金額○○円以内で、大人2人子ども1人分の1週間献立(一汁三菜)を考えて」 と伝えればあっという間に買うべき商品を選定してくれます。
特にこれからの世代は、AI活用が当たり前の時代になります。
だからこそ親世代が拒絶反応なく使いこなしておくことはとても意味があると思います。
4,育休はあくまで家族のために使う時間
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回の記事は人によっては「キャリアアップのためのリスキリング情報を期待していたのに!」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
そうであれば申し訳ありません。
ただ、私が望んでいることは一貫して
「育休をパパだけでなく家族全員が幸せで楽しい時間にしてほしい」
ということです。
だからこそ育休中のリスキリングは、パパ軸ではなく家族軸で考えていただきたいですし、同じ時間を使うのであれば、より家族に寄り添った学びをしてほしいと思っています。
今回の記事が、これから育休を迎えるパパにとって、有意義な時間の使い方の一助になれば幸いです。
是非インスタやYouTubeで私の動画編集っぷりを見てやってください。
Wrote this article

ぽんパパ
2024年6月に第1子(息子)が誕生した好奇心旺盛パパ(30代前半) 1年間の育児休暇を通じて、パパのための育児情報を発信中! 田舎が大好きで、これまで8県で居住(各県2年以上)。 【趣味】 映画⇒500本以上所持。 ゲーム⇒10時間ぶっ通しは余裕。 キャンプ⇒道具が好き、焚火も好き。 資産形成⇒20代で『老後〇〇万円問題』の純資産突破。